こんにちは、halukaです。
今日は、映画「ターミナル」のご紹介です。
こういう映画をヒューマンコメディと呼ぶのか、
ヒューマンラブコメディと呼ぶのか、
ヒューマンドラマと呼ぶのか、詳しくはありません。
ただ、アメリカのジョン・F・ケネディ国際空港という、
洗練され、近代化されたエアポートを舞台に、
人間味が、じわりとにじむストーリーにとても好感が持てます。
主人公は、東欧の小国・クラコウジアからJFK国際空港に単身到着した男性、
ビクター・ナボルスキー。
演じているのは、名優トム・ハンクス。
英語が分からず、入国審査ゲートでの係官とのやり取りで、
まずは足止め。
係官がパスポートを照会すると、なぜか「要注意人物」。
実は、ビクターがクラコウジアを出国後、内戦が起こり、
無政府状態となってパスポートが無効になったことから、
入国のためのビザ(査証)も取り消されてしまったのです。
その結果、「アメリカに入国できない」という事態に。
アメリカに入国することも故郷に帰る事もできず、
そこから、ビクターの「乗り継ぎロビー生活」が始まります。
初めは、食事にも事欠くことになりますが、
やがて、デポジットで25セントが手に入るカート運びを知ったり、
空港内の内装業の手伝いにこぎ着け、
清掃員の老人や機内食係の若者とも顔見知りになっていきます。
個人的に、「粋な展開だなあ」と感じているのは、ビクターが、
「入国不可」のスタンプを押されるのは分かっていながら、
毎日、入国申請のために足を運んでいた女性係官に、
ビクターの友人になっていた機内食係の若者が恋をして、
ビクターがいつの間にか、キューピットになる一連の場面です。
ほかにも、キャビンアテンダントの女性、
アメリア・ウォーレン(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)との恋。
空港の保安を守る高官からは日々、疎まれるビクター。
けれどもある日、東欧からやって来た、英語が話せない別の男性が、
病気の父親のために持ち込んだ大切な薬を没収されかけた場面で、
ビクターが機転を利かせて、その男性を守ります。
嘘は当然、高官に見抜かれますが、
その話は広まり、
乗り継ぎロビー内のショップやファーストフード店の店員たちからは、
親愛と喝采のまなざしが。
そのころには、おぼろげながら英語も身に付き、
アメリアの計らいで、ビクターは1日だけ、入国できる運びに…
仲間が見守る中、粉雪の舞う空港からタクシーに乗り込むビクター。
一路、向かったのは約束の場所。
ビクターは、JFK国際空港に到着してから、
父親との「約束」を秘めた一つのピーナツ缶を、
大切に持ち歩き続けていました。
その缶に秘められた人間味あふれる「約束」が欲していたのは、一人のサイン。
結末は、暮れなずむニューヨークの街の風景が教えてくれます。