こんにちは、halukaです。
今夜はフランス料理!
イサキ、スズキ、マダイ…。
カキにバチエビ(ウチワエビ)…。
海の幸、魚介がおいしい季節です。
というわけで、
通い慣れようとしている、庶民的フランス料理店へ。
週末は、予約をしておかないと入れない人気。
知っている人は、知っている、という隠れ家的な名店だ。
お店を仕切る白エプロンのシェフはいつも言う。
「いや、いや、ぼくは何もしてないんですよ」。
「素材がいいから…。漁師さんに感謝です」。
待って、待って。
「何もしてない」わけないでしょ。こんなにおいしいのに。
そう、プロの料理人さんは、
素材の良さをとことん引き出してくる。
ここ、ブラッセリー(フランス風居酒屋)を訪ねると、
いつも、期待以上の品がテーブルを飾る。
それとなく注ぎ込まれているソース。
これがどうも、
おいしさの秘訣(ひけつ)を握っているように思うのだけれど、
そこはなかなか、教えてはもらえない。
ひと工夫も、ふた工夫も。
ひと手間、ふた手間、掛けてあるに違いない。
まずはビールで、軽くあぶったお魚をいただく。
火を通したニンニクがひとかけら。
添えのレモンをさっと搾って、口に運ぶと、さく、さくっ。
1週間のあれやこれやが、たちまちどこかに飛んでいく。
ビールグラスはもう、空になってる。
ワインのことはよく分からないので、
お店のスタッフさんとシェフにお任せ。
「あんまり高くなくて、料理に合うものを」なんて、
非常に身勝手なお願い。
すると、「いいのがありますよ」って、
少し辛口の赤ワインがグラスですっと出てくる。
タイミングを合わせて、次の一品も、もう目の前にある。
「ひとくちカキ」。
もう一度、書いておきましょう。
赤ワインでいただく、「ひとくちカキ」。
とろっ。とろ、とろっ。
むにゅ、むにゅ、むにゅ。
絶品…。
「プロのすることに素人が口を出すんじゃない」。
名言だ。何も言うことはない。何も言う気がない。
ただ、ただ、おいしい。
「舌鼓(したつづみ)を打つ」とは、
こういうことを言うのか。
「料理人」という名のプロ。
仕入れる素材にこだわり、選び抜く。
「お客に出す品」に妥協をせず、
欠かせないひと手間、ふた手間は決して惜しまないが、
かと言って、余計な手は一切加えない。
締めの一品にも、海鮮を思わせるソースが。
添えのミニトマトは、地元の産物らしい。
ナイフを入れるのがもったいないくらい。
とはいいながら、しっかり味わいたいので、
そそくさと口に運ぶと、これまた、さく、さくっ。
いつの間にかワインと食事に″酔う″。
シェフが満たしてくれるのは食欲だけじゃない。
視覚、嗅覚、味覚。
会話と笑顔。
どんな分野でもプロは、自分の得意技以外に、
磨き抜いた「安定」という安心感でもてなしてくれる。
そこに生まれる余裕に酔いしれるのだ。