halukaブログ

やっぱり海が好き!

ウインターサーフ物語。「羽音をさせない大きな翼に見守られ潮騒だけの太平洋の片隅で波にゆられた寒風ながれる半時間は唯一無二の半時間」の巻。

こんにちは、halukaです。

 

潮騒だけの世界。

真冬の低気圧が去って、

海砂を濡らす海水にウネリはありません。

 

ほんの波打ち際で、ほんの数センチ、

いっぱい、いっぱいの膨張が裂けて、

ほんの少し、白波が泡立つだけです。

 

そんな海の日。

肌を刺す空気の冷たさも手伝って、

サーファーの姿はありません。

 

見上げると、トビでしょうか。

大きな翼を誇らしげに、惜しげもなく広げてみせて、

その雄姿のままに、宙を滑空しています。

羽音もなく、風を切る音も、耳には届きません。

 

微かな風をゆらして響いて聞こえくてるのは、潮騒

青色の潮騒だけの世界で、

サーフボードをのんびり漕いで、

来ることのない、セットの波を待ちながら、

太陽はやがて西に傾いてみせて、

風は少しずつひんやりと冷たくなってみせて、

海砂の上に、打ち上げられた流木が、

低い影を伸ばしてみせます。

 

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幼い頃のうつろな記憶。

北風と太陽でしたでしょうか。

どちらが勝ったか負けなのか。

その物語の結末は、

いまは頭に浮かぶ事はなく、

ただ、その主題だけが、

「北風と太陽」という、

その主題だけが、視線と肌に映って、

それが、真冬のサーフィンなのかなあと、

そんなことを思ったりしながら、

ほんのわずかな時間、

波にゆられてみました。

 

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海上がりに左手首の防水時計を見ると、

潮に浸かっていたのは、ほんの半時間。

それでも、ぐっとおなかが空いて、

指先はかじかんで、ポリタンクのぬるま湯をかぶった頭は、

あっという間に冷え返って、

家に帰り着いたなら、いったい何を口にしようかと、

もう、そんなことばかりが頭をよぎって、

つまり、寒いのです。

 

「冬を制する者だけが、夏を制する」なんだとか、かんだとか、

カエル男がオーナーのサーフショップの仲間の耳打ちが耳から離れず、

今日も明日も、きっとその先々も、

こうして海に通うのかなと、

そんなことを思ってみると、

サーフィンに誘ってくれた仲間や、

サーフィンに誘われてくれた仲間や、

サーフィンの後のアフターサーフに誘ってくれる仲間が、

そんな仲間がいてくれて、

ほんとうに幸せだなあって、

そんなことを考えたりもしながら、

気がつくと、着替えが済んでいて、

つまり、帰り支度が済んでいて、

すっかりおなかが空いていることに、

もう一度気づいたりして、

帰宅するなり、作り置きのカレーライスを頬張った、

晴れない空の潮騒だけの、

とっても寒い冬真っ盛りの一日でした。

 

 

ウインターサーフ物語。「寄せる波に合わせて波待ちするけれど、待てど暮らせど波は来ず沖合5メートルで3本乗る」の巻。 - halukaブログ