こんにちは、halukaです。
「花曇(はなぐもり」は、俳句で言う、4月の季語のひとつです。
「桜の花の咲くころ、どんよりと曇りがちなのをいう」と、
手元の季語集「虚子編 季寄せ 改訂版」(三省堂)に解説があります。
今日は、まるでそんな一日でした。
私にとっては、
俳句を詠む際の必携本でもある、季語集をめくってみると、
4月は、気のせいでしょうか、
時節を言い表す季語が、いっそう多いように思います。
昨年の暮れから、
俳句教室に通い始めたばかりの私ですから、
詳細を学んでいるわけでは、もちろんありませんが、
季節の「動き」や「色合い」「営み」「香り」など、
五感に響いてくる言葉が、
4月の季語として、たくさん並んでいます。
木々や花の名前で言えば、「桜」はもちろん、
「花」と詠っただけでも、「桜の花」を言い、
「花の雲」、「花吹雪」、「花の雨」など、
その言葉の響きは、なんとも言えない可憐さ。
とても全ては拾いきれませんが、
「桃の花」、「梨の花」、「杏(あんず)の花」、
「林檎(りんご)の花」、「李(すもも)の花」、
と続き、
さらには
「チューリップ」、「ヒヤシンス」、「シクラメン」、
野や庭を飾る季節の花々が、
勢ぞろいします。
【写真AC】
食感をくすぐる言葉も多く、
「草餅」、「蕨(わらび)餅」、「春大根」、
「鶯(うぐいす)餅」に「桜餅」…
いかがでしょうか。
長く厳しい冬を耐えた褒美のように、
きらびやかで、にぎやかな言葉の雨。
にぎやかさで言えば「東(あづま)踊」、
「都(みやこ)踊」、「浪花(なには)踊」もそうでしょう。
【写真AC】
早朝の海辺に出掛けてみると、
真冬の2月の頃には、身をかがめていないと、
立っているのさえ辛かった寒さは去り、
麗らかな太陽光が、東の空から、
すっと差し込んできます。
太陽光、日射しと言えば、
4月の季語で意外だったのが、
「日永(ひなが)」です。
「暦の上でいちばん日が長く夜の短いのは夏至前後であるが、
冬のあとを受けた春が最も日の長くなったことを切実に感じるので、
俳句では(中略)春になっている」と、
季語集「虚子編 季寄せ 改訂版」(三省堂)にあります。
なるほど、寒さがほどけ、
暖かさが身を包んでくれる春の日差しこそを長く感じると、
そんな風情でしょうか。
新型コロナウイルスの感染防止の観点から、
不要不急の外出の自粛がいわれ、
日常に変化を感じにくくなってはいませんでしょうか。
そんなときだからこそ、ではありませんが、
それこそ4月の季語にある、
「茶摘み」、「壺焼(つぼやき)」、「春深し」、「夏近し」と、
自然の移ろいを言葉で感じながら、
美味しさや巡る季節を妄想してみるのも
いまどきの趣きかもしれません。