halukaブログ

やっぱり海が好き!

散文夢想「夏至の頃、濡れた青葉が傘に落とす雨粒は夏の季節の誘い水」。

 今週のお題「傘」

 

こんにちは、halukaです。

 

週の半ば、皆さまどのようにお過ごしですか。

 

一日のスケジュールを終えて、

車のハンドルを切りながら、

濡れた車列に紛れ込んだ、夕刻のラッシュタイム。

 

小さな雨粒を降りほどこうと

ワイパーが滑るフロントガラスに映る街並みは、

まだ、ほの明るくて

「日が延びたな」と、そんなことを感じます。

 

昼の時間が長くなり、

1年のうちで夜の時間が最も短くなるという

二十四節気のひとつ、

夏至(げし)」が近づいていますね。

今年の夏至は、6月21日(日曜日)。

 

今はまだ、梅雨の雲に姿を隠してもらいながら、

青い夏の空は日を追うごとに、

一歩一歩、近づいているようです。

 

朝、目覚めのためのアラームをセットする習慣は、

普段からあまりありません。

 

それでも、たいていの日々、

いつもそう変わらない時間に目を覚ますと、

厳冬の2月の頃はまだ暗かった東の空が、

この頃は、もうすっかり明るくなっていて、

ただそれだけで、

季節の変わり身を感じたりもいたします。

 

「短夜(みじかよ)」。

俳句の季語では、短い夏の夜のことを、

そんなふうにも呼ぶようです。

 

季節を飾る花模様はといいますと、

水辺が似合うアヤメが白や紫の花を開くのも

この頃でしょうか。

 

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  【写真AC】

 

雨粒を弾くアスファルトの道。

傘を差して、街路を歩くと、

交差点で信号待ちをする間、

街路樹の青葉が落とす、雨粒が、

傘を叩いて濡らしてみせます。

 

傘を叩く雨粒のリズムは、

耳だけでなく、

胸にも響くようでいて、

どんな擬音語が似合うのでしょうか。

「シトシト」、「ポツポツ」、「ポタポタ」と…

 絶え間のない雨音は、詩の韻律にも似て、

傘を差して外を歩いているだけで、

気晴らしになってもみたり、

しんみりとなってもみたり。

 

そうかと思えば。

いつも、

黒っぽい傘ばかり差しているので気づかないのは、

自分のせいではありますが、

考えてみますと、

一瞬、太陽光が射せば、

大空に七色の橋を架けてもみせる雨粒です。

 

空から降る透明な雨粒は、

傘を叩くリズムと虹を包んだ色模様を伴いながら、

朝に聞いた天気予報を裏切らない誠実さで、

強まってはやみ、やんではそぼ降る繰り返し。

 

帰宅して、部屋に入ると、

「エアコンのスイッチを入れようか」、

「いや、きょうは違うか」と、

そう戸惑う辺りは、

体調の管理にも気を付けなさいと、

それもこの頃の雨音が運ぶアドバイス

 

雨に濡れても閉じた傘のせいにしたりしないで、

それより、濡れた体を冷やさないよう、

十分にお気を配りください。

 

梅雨空は、冷たい雨を降らせてばかりではなくて、

夏を呼ぶ誘い水さえ散らせているのかもしれません。