こんにちは、halukaです。
東の空に朝焼けがまだ残っている時刻。
海沿いから眺める海面は、青い色を隠して、
東方から斜めに降る太陽光を穏やかにはね返し、
銀色に輝いて見えます。
サーフィンを楽しみに通い慣れた、
ビーチブレイクが楽しめる海辺のポイント。
浜辺に近い駐車場の埋まり具合は、
5割ほど。
シャツを脱いでウエットスーツに着替えている最中の
波乗り好きの仕草に誘われるように、
車を止め、
荷台からフルのウエットスーツを引っ張り出します。
「陸風」と「海風」が交錯して、
風がやむ朝凪の少し前の頃。
陸から海側に向けて吹くオフショアの風が、
陸側に崩れようとする波の面(フェイス)を抑えて、
磨かれたガラス面のようになめらかに整えてみせます。
「面ツル」なんて呼んだりしますが、
クリーンフェイスの波のトップが左右に張って、
波乗り好きには絶好のコンディション。
その時間を狙って
海辺を覗くサーフィン好きは少なくありません。
夜明けから朝凪の頃までのそう長くはない時間。
フェイスが整った波にサーフボードを走らせて、
風を切りながら滑る海面は、
沖から見れば青く見え、
陸から見れば銀色に光って見える自然の不思議をもっています。
そんな時間が愛しくて、
ウエットスーツに通す腕も
にわかにせわしくなるようです。
そそくさとウエットスーツを着込んだら、
次はさっそく、
サーフボードをソフトケースから引き出します。
滑り止めのワックスをサーフボードに塗り込みながら、
「どんな波が入っているか」と、
胸が膨らむお決まりのルーティーン。
海辺に出て、海原を眺めると、
セットでひざ~太もも程の小波が入ってきています。
風はオフショア。
迷うことはありません。
抱えてきたショートボードを砂浜に横たえて、
潮の香りを感じながら、
ストレッチを始めます。
関節と筋肉が、運動のための柔軟性を取り戻すよう、
気持ちも和らぎ、ゆったりと波間に浸れるよう、
体と心をほぐすストレッチ。
サーフィンは自然を相手にするスポーツです。
波は逃げたりはしませんが、
同時に「同じ波は二度とは来ない」とも言います。
急ごうとする気持ちをなだめながら、
体を痛めないよう、十分に準備運動をこなします。
気持ちがなごみ、体がほぐれたら、
サーフボードを抱えて、波間に1歩、2歩。
迎えてくれる海面は、
少しずつ昇る太陽光に呼応して、
銀色の照り返しを返上し、青色を取り戻し始めます。
ショートボードにまたがったサーファーが描く
沖合の波待ちライン辺りまでパドリング。
同じ仕草でサーフボードにまたがって波待ちをしていると、
ショートボードより、やや沖で波を待つロングボードが
レギュラー波を逃さずにテイクオフしてきます。
テイクオフから、スムーズなスタンドアップ。
サーフボードのレールが波のフェイスを削りながら、
潮を飛ばして、すーっと、後方へ滑っていきます。
波間を走るサーフボードと
潮風を切るウエットスーツ。
その流れを照らす太陽光のワンシーン。
朝の霞が晴れる頃、風は変わって、
朝イチで海に向かったサーファーは、心地いい疲労を覚えて、
海から上がるものでしょう。
波待ちラインで爽やかなサーフシーンに出合った朝のことでした。