halukaブログ

やっぱり海が好き!

ウインターサーフ物語。「オフショアの波を求めて走った海は、なだらかな肩を寄せ合いトップから割れるクリーンフェイスで春のサーファーたちを迎えます」の巻。

こんにちは、halukaです。

 

陸から海に向かって風が吹き、

太平洋の彼方から届くウネリが持ち上げた波の頂上を

なだらかな横一線にそろえてみせる、

オフショアの波。

 

彼方の海上で沸き起こったウネリが、

延々、岸辺に届き、

遠浅の海底の起伏に呼応して、

陸側に向く曲面を用意しながら持ち上がる海面を

陸から吹いた風が適度に「まだ、もう少しだ」と、抑え、

その曲面を押し整えながら、

磨き抜いた、一瞬のサーフステージに仕上げてみせる。

サーファーがサーフボードを抱えて駆け出す、

クリーンフェイス。

 

ウネリの頂上(トップ)が、

横に伸びる一線をショルダーと呼んだりしますが、

そのショルダーが、ウネリからの押しと重力に耐え切れず、

陸側に前のめりに崩れ始めるトップから弾けるしぶきが、

ほんの気持ち、

陸からの風に押されて海側に散っていく程度の強さの風が、

ほんとうに心地のいいオフショアの波を生み出します。

 

久しぶりにそんな波に出合えた朝。

波待ちもほどほどに、

ウネリを眺め、

持ち上がるウネリを狙って、

サーフボードの先端を、

それまで向けていた海側から陸側へと切り返し、

ウネリがトップを張るタイミングを肩越しに見計らって、

一気のパドルで、

波のパワーゾーンにサーフボードを滑らせます。

 

波が、せり立ち、サーフボードをぐっと押します。

サーフボードが波間を走り出し、テイクオフしようとする、

その勢いに乗って、胸とひじを張り、

ひざを一気に胸に引き寄せ、スタンドアップ

 

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膝がしらほどの小波でも、

テイクオフの瞬間は、

何度、経験しても爽快です。

 

ゆったりと崩れる厚めのメロウな波なら、

スタンドアップからのすーっと流れるクルージングも、

暖かな日差しの下でなら、

時間が許す限り、

何度でも…という気にもなります。

 

波が静まる岸辺寄りで、

乗っていたサーフボードから体を離し、

少し息をついてから、

もう1度、いや、2度、3度、

足首に巻いたリーシュコードを頼りに、

サーフボードを体に引き寄せ、

再び、沖合にゲットアウト。

 

たったそれだけの繰り返しですが、

「同じ波はふたつは来ない」と、

サーフィン仲間が口にする通り、

アウトサイドに向かってパドルしながら、

色の違ったウエットスーツを着込んだサーファーが、

小波を小粋に乗りこなしているのを眺めると、

どうしても「うん、あと1本」と、

どこから湧き出てくるのか分からない、

脳内の妙なアドレナリンに刺激をされて、

沖に向かう自分がいます。

 

まぶしい太陽光の下で、

その光を反射する波のクリーンフェイスは、

見る者、

戯れる者を魅了する自然からの贈り物なのでしょう。

 

吹く風が、

頬を切るような真冬の冷たさを置き去りにし始めました。

新しい季節が、その訪れを告げています。