こんにちは、halukaです。
その時刻の風の流れは、陸から海へ。
肌に感じる強さはおそらく、秒速1~1.5メートル。
サーファーが、だれ彼となく、
無条件で波間に駆け出すオフショア。
穏やかな薄緑色の海面が銀色の太陽光をはね返す。
今日、ひとつめの所用は、午後の開始でした。
午前中は、なんの支障もない、マイタイム。
きのう一日で、もうすっかりと気に入った、
真新しいウエットスーツをまとって、
小波でもよく走る、
青色に染めた愛用のサーフボードを左腕に抱えて、
午前のゆったりとした時間、
いつもの海に体を委ねました。
秋のサーフ物語。太平洋の片隅でバニラシェイクに抱かれてサーフボードで走る海原。ニュー・ウエットスーツ海デビュー。 - halukaブログ
サーフィンを楽しめるビーチブレイクエリアに近い、
駐車場の埋まり具合は、7割。
週末にはない、広めのスペースで、
車のギアを落として、サイドブレーキを引き、
バニラシェイクのウエットスーツに着替えます。
海に入ると、オフショアの風のおかげで、
波のトップから張り出すショルダーが、
4秒から5秒間ほど、崩れることなく、
きれいなフェイス(波の斜面)を保ちます。
「さあ、乗りなよ!」。
太平洋の小波が、そうつぶやいているようにも感じます。
波間に揺れるサーファーは、
視界の効く範囲で、20人ほど。
ほぼ、等間隔で、セットのウネリを待っています。
その、波打ち際と並行する波待ちラインが、
もう1パドル、もう2パドル…
じわり、じわりと、沖合に向けて上がっていきます。
波のコンディションがいい証しです。
そんな波待ちラインをふと、眺めていると、
長さが7フィートの後半から8フィートほどの、
髪もロングのサーファーガールが、おひとり。
「この夏、デビューだったかな」。
黒のウエットスーツに包まれた体の位置が、
ボードの後部に少しだけ、寄りすぎ。
トロッと割れる、気遣いのいいブレイクが来ますが、
テイクオフのパドリングが、少しだけ遅れ気味。
おそらく、ビギナーさんです。
自分のライディングの合間に、
時折、視線を向けていましたら、
やってくれました。
流れるように押し出された、
しなやかなテイクオフから、
視線が上がったスタンドアップ。
ロングボード独特の滑るような、ライディング。
その黒のウエットスーツが、浅瀬の波間に落ち、
再び、姿を見せた際、視線が合ったように思いました。
左手の親指を立てて、
グウを握って、
その黒に向けて差し上げると、
小さなお辞儀と、
「ありがとーございまーす」と、元気いっぱいの返信が、
耳に届きました。
弾けるような黄色に漆黒のラインが入った、セミロングボードが、
波間の色を薄緑から青に変えようとする、
お昼前の海に映えて見えました。
「ボード、いい色ですね!」。
「あっ、これ、レンタルなんです!」。
「あー、でしたか。じゃあ、ショップのセンスがいい!」。
余計な声は、掛けるものじゃありません。
ぎりっぎりのフォローを入れて、
手首に巻いた防水の腕時計を目の前にかざすと、
もうすぐ、正午。
「ラスト、ワン」。
本日、最後の1本は、膝下もない、まるでさざ波。
十分、満足でした。
薄緑色と青色と銀色と黄色に漆黒。
挿し色が少しだけ違えば、虹の色。
いろいろと、少しだけ違った日。
そんな日もあって、いいのかな。
ファンウエーブが運んできたのは、
そんなふうに感じさせてくれた、普通の一日でした。
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