halukaブログ

やっぱり海が好き!

渚のサーフ物語。「空梅雨でもなし。徒然に午後の小波にサーフボードを浮かべれば、早過ぎる真夏の太陽光の予感」の巻。

こんにちは、halukaです。

 

午後の小波にサーフボードを浮かべました。

穏やかなウネリが寄せる徒然の海辺。

 

空梅雨(からつゆ)というわけではないのでしょうが、

上空に雲はなく、

海面は、空の青色を映しながら

昼下がりの暖かな陽射しを浴びています。

 

波打ち際から10メートルほど沖合で、

ざぶんと割れる白波は、そのまま白い泡になって、

砂浜に届くころには、姿を消します。

 

ふだん、「スープ」と呼んでいる、

白く泡立つ小波を乗り越える辺りまで、

片手で抑えたサーフボードを海面に滑らせながら、

3歩、4歩と沖に向かいます。

途中、もう片方の手のひらで海水をすくって、

ぱしゃっと、顔を濡らしてみます。

 

濡れた頬をなぜる潮風は、

しょっぱくもあり、なんだか甘酸っぱくもあり。

 

やがて腰の辺りまで体が潮に浸かったら、

サーフボードに腹ばいになって、

胸を反って、沖に向かってパドリング。

 

穏やかなウネリです。

大きな波の海で沖に向かう時のような、

懸命のパドリングはいりません。

 

手のひらで、海水温を確かめるように、

ゆったりと、ひと漕ぎ、ふた漕ぎ。

 

サーフボードは、ゆっくりと波間を滑って、

沖合30メートルほどにたどり着きます。

 

「この辺りかな」。

上半身を起こして、

サーフボードにまたがって、沖を眺めて、

次の波を黙って待ちます。

 

ここまでやれば、ようやく、

その日のサーフィンが始まったという、

そんな気分にもなるものです。

 

f:id:halukablue:20200623164506j:plain

 

感覚では、およそ5分にひと波。

 

ぼんやりと前方を見つめていると、

フラットだった海面が7、8メートル先で、

にわかに膨らみ始め、その膨らみを増しながら、

波待ちしているサーフボードの辺りに迫ってきます。

10秒とない間の海面の変わり身です。

 

お楽しみはここから。

その波が膨らんで、波頭(トップ)を張るのはどの辺りか。

そこに見当を付けて、

サーフボードの鼻先を沖から岸側に切り返しながら、

パドリングで、

波が持ち上がるトップの位置と波のスピードを追います。

 

波が割れるタイミングに合わせて、

サーフボードがぐいっと前に押し出されれば、

波のパワーゾーンをつかまえた証しです。

 

つい今まで波間を漕いでいた手のひらで、

サーフボードの両端を抑えるように胸を張り、

視線を上げて左右を確かめ、テイクオフ。

 

波間で戯れることが許された限りある時間のなかで、

好みの瞬間です。

 

スタンドアップでサーフボードに立ち、膝を落とすと、

波のスピード感が、体に伝わります。

 

穏やかな小波がショートボードを走らせてくれるのは、

ほんの数秒のこと。

 

岸寄りで、サーフボードは失速して、

やがて、波間に浮かぶだけ。

その頃には、両足は海底の砂を踏んでいて、

沖に向かって、また、3歩、4歩。

 

シンプルな動作を繰り返しながら、

筋肉が疲れを覚え始め、

喉が渇きを覚え始めます。

 

「もう、そろそろかな」。

手首に巻いたGショックは、

夕刻の待ち合わせ時間からの逆算を求めていました。

 

サーフボードを脇に抱えて海から上がると、

天空の太陽は幾分、西に傾きながらも、

まだ十分にまぶしい陽射しを砂浜に注いでいました。

 

灼熱の真夏の太陽が四季の舞台の袖にいて、

「出番はまだかと」待ち構えている予感がします。