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やっぱり海が好き!

新古今将棋道⑨。「桂の高跳び歩の餌食とは、飛び出しに十分な注意を払えば一手で敵の玉将を追い詰めることも出来る攻撃力5の飛び駒が見る夢」の説。

こんにちは、halukaです。

 

将棋やチェスなどたくさんのテーブルゲームには、

定説、謂われ(いわれ)あるいは、格言などとされる、

「常に頭に置いておきなさい」との諭しの鉄則があります。

 

「桂の高跳び歩の餌食」は、有名なその一つ。

桂馬(けいま)は、将棋の駒の中では唯一、

「ほかの駒を飛び越えることが出来る駒」です。

 

その動きは変則的で、

チェスの駒の一つ・ナイトと同じように、

「斜め一間飛び」が出来、

その間にほかの駒があったとしても、

その動きを封じられることは、ありません。

ただ、チェスのナイトと決定的に違うのは、

チェスのナイトは、横や後ろにも「斜め一間飛び」が出来るのに対して、

将棋の桂馬は、“前方” にしか飛べません。

 

このため、まず将棋の桂馬を覚えて、

次にチェスのナイトを知ると、

ナイトの、あまりにトリッキーな動きに当初は戸惑う羽目に陥りますが、

すぐに、慣れはします。

 

さて、桂馬にお話しを戻しまして、

その、「前方・斜め一間飛び」しか出来ない桂馬。

ほかの駒を飛び越えることが出来るからと、調子に乗って、

敵の歩兵(ふひょう)の前なんかに飛び出しますと、

何の抵抗も出来ずに、あっけなく取られてしまう守備力の低さは、

「それでも、君、将棋の駒か!」と、

気合を飛ばしたくなるほどの弱々しさです。

 

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  【写真AC】

 

ところが、これを、手駒として持ち、

敵が一瞬でも油断をしようものなら、

その隙に乗じて、敵陣にパチリと指し打ち、

その、たった一手で、

敵の玉将(ぎょくしょう)を詰ませることさえ出来る、

攻撃力5の「それでこそ、君、将棋の駒だ!」と、

褒めちぎりたくなる、優秀な、飛び駒です。

 

知られた定跡としては、まず、

桂馬の両取り(けいまのりょうどり)。

両取りとは、

一つの駒で、敵の二つ以上の駒を同時に攻め立てる手で、

非常に優秀な一手です。

 

その中でも、「桂馬の両取り」は、 

「斜め一間飛び」が出来るという特殊能力を生かして、

敵の駒から一段離れたマスから敵を攻めることが出来るため、

敵は、この攻撃を避けにくく、

さらに言えば、

敵からの直接的な攻撃を受けることは、少ないという、

とても知的な一手でもあります。

 

次に、「桂馬の不成(けいまのふなり)」。

将棋の駒は、

玉将(ぎょくしょう)と、金将(きんしょう)を除いて、

敵の陣地三段以内に進み込めば、「成り」といって、

金将と同じ動きをする駒に、“成長” することが出来ます。

 

例えば、

前方にひとマスずつしか進めない歩兵が、

前・斜め前・真横・真後ろにひとマス動ける金将に変身。

あるいは、

槍のごとく、

前方に一気に進むしか道のなかった香車(きょうしゃ)が、

同じく、金将に変身できる、といった具合です。

 

さて、ここで、桂馬が相手陣内の三段以内に進んだ場合ですが、

金将に成らず(成桂)、桂馬のまま、そこに留める戦法が、

「桂馬の不成」です。

 

ほかの駒を飛び越して、敵の守りのなかに割って入り、

敵を威嚇し、あるいは、敵の指し筋を止められるのは、

桂馬だけです。

 

その強力な攻撃力を生かすため、あえて、金将に成らず、

持ち得る能力を最大限に発揮させるという、

これまた、知力あふれる判断力に満ちた一手です。

 

敵の囲い(守り)が、徹底的に堅いとき、

「とにもかくにも、何でもいいから、桂馬を指し打ってみる」は、

私がときどき使う、 “魔の一手” でもあります。

なぜなら、「桂の高跳び歩の餌食」だから、なのでした。(^_-)-☆

 

追伸:

出る杭は打たれ、飛ぶ桂は食われるが、そこに夢がないでもない。 by. haluka

 

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