halukaブログ

やっぱり海が好き!

散文夢想「五月雨に濡れる青葉と花びらは夏の空への衣替え」。

こんにちは、halukaです。

 

夢、想う夏。

 

四季折々が織り成す自然の営みは、

時として気分を高揚させたり、

落ち着かせてくれたりします。

 

梅雨の晴れ間。

大きく広がった青空は、もう真夏のような表情で、

紫外線を降らせ、汗を誘います。

 

そうかと思うと、

日暮れ前。

どっと雨粒を振り落としては、

ぱっと晴れ上がってみせる夕立晴れは、

爽快感を運んできて、

憂鬱になりそうな梅雨の気分を

少し穏やかにしてもくれます。

 

今年の6月も夏至を過ぎ、

下旬を迎えました。

 

今の頃の屋外を見渡しますと、

大通りの車線を分ける中央分離帯や街路で伸びていた

名も知らない緑草が小奇麗に刈られていました。

 

水田では、

初夏の頃はまだ幼く弱々しかった早苗が、

濃い緑色に染まって、

背丈も、もう40~50センチほどはありそうです。

 

この時季の緑は、ほんの少し目を離すと、

天の恵みの豊かな雨と、

気分次第で姿を見せる太陽光を一身に浴びて、

すくすくと育っていきます。

 

その変わり身の早さはまるで、

紫陽花(アジサイ)の花色が見せる

「七変化」のようです。

 

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梅雨の半ば。

夏の木立ちに分け入ってみると、

一服の涼風が漂います。

 

陽だまりには、明るい太陽光が射して、

そのすぐ脇の雑木は、

葉を広げ、幹まで太くなったようでいて、

緑陰をつくって、憩いをくれます。

 

そんな青葉の季節。

6月の頃の俳句の季語には

たくさんの花の名が並びます。

 

「橙(だいだい)の花」。

「柚(ゆ)の花」。

「柿の花」。

「石榴(ざくろ)の花」。

「栗の花」。

「椎の花」。

「山梔子(くちなし)の花」。

南天の花」。

「鬼灯(ほおずき)の花」。

紫蘭(しらん)」、「鈴蘭(すずらん)」…

もちろん、まだまだありますが、

五月雨(さみだれ)に濡れ、

太陽光に輝く色鮮やかな花模様は、

さながら、季節の衣替えのようでもあります。

 

昨日の夏至の日は、太陽の一部が月に隠れる

「部分日食」が列島の各地で観測されたと、

ニュースが伝えていました。

 

天体ショーと呼ばれる自然の神秘。

 

俳句に詠われる季語は

「植物」や「動物」、「行事」などに分けられる中、

「天文の季語」と名の付く言葉があると知りました。

 

たとえば、

鰯雲(いわしぐも)」。

 

秋空の頃。白い雲が魚のうろこのように、

あるいは、

まるで波のように青い空に浮かぶ雲の様子です。

 

鰯雲が湧くとイワシの大漁につながるとも、

なんだか聞き覚えがあるような…

 

その秋空の前に、夏空が待っています。

いや、

梅雨空が終わりを見せるのは、まだ少し先ですね。

 

天体ショーを楽しんだ後は、

梅雨明けまでの間、

ぐっと手元に視線を移してみませんか。

可憐な季節の花々の変わり身もどうぞお見逃しなく。