halukaブログ

やっぱり海が好き!

新古今将棋道⑩。「歩のない将棋は負け将棋のはずなのに有りすぎて負けてしまったはずなのにいつの間にか勝ってしまった師匠」の巻。

こんにちは、halukaです。

 

私が師と仰ぐ先生との将棋対局第5戦。

どなたにも、おそらく予想はできない、

破天荒な1局となりました。

 

先生の奥様であるご夫人が用意してくださった、

本日の飲み物とおやつは、

ドトールのアイスコーヒーと、

カシューナッツ(?)が入った甘い焼き菓子が1人、ひとかけら。

 

先週の対局で、ようやく私が初勝利を収め、

私の戦績は、1勝2敗1引き分けとなっておりました。

 

新古今将棋道⑧。初勝利の余韻と惰眠。「その心地よい布団のぬくもりと師の親心のぬくもりと将棋盤の木のぬくもりでホカホカな寝起き」の巻。 - halukaブログ

 

本対局で再び勝ちを収めれば、

戦績は、互いに2勝2敗1引き分けとなり、めでたくイーブンです。

対局前の私の意気込みは、

皆さまにもご理解いただけることかと存じます。

 

先手争いのジャンケンポンに勝ったのは、またもや私。

勝利を収めた前回の着手に溺れたわけではないのですが、

そこは、素人の性(さが)。

いきなり、四間飛車(しけんびしゃ)と、飛車を左に振りました。

ここで、先生が防御などにお入りにならないことは、

前局までの、先生の猛々しい攻めで、十分に心得ておりました。

 

そこで、私。

四間への振り飛車の直後は、

大事な大事な玉将(ぎょくしょう)を、再び守り抜くべく、

右隅での穴熊囲い(あなぐまかこい)狙いで、

自らの玉将を右斜め前から、右へ、右へ。

 

その間、先生は、そそくさと銀将(ぎんしょう)を上げ、

その後方に角行(かくぎょう)を控えさせる、

からしましたら、とっても嫌な、

「どうして、そんな大人げないことをするのよ(>_<)」と、

愚痴のひと言も唇から漏れそうな、攻め一閃の師の指し筋。

 

私は、十分な囲いに入る間もなく、

防戦を強いられた次第です。

 

f:id:halukablue:20191209015826j:plain

   【写真AC】

 

早いお話しが、中盤まで、いいようにやられておりました。

そこで、しかし、魔の禁じ手を師が指します。

 

なんと、「二歩(にふ)」。

将棋の禁じ手を教える本ならば、

まず、間違いなく、いの一番に出てくる、反則手で、

初歩も初歩の禁じ手です。

それを、師が指しました。

 

歩兵(ふひょう)の大切さにつきましては、

以前、紹介いたした経緯がございます。

 

新古今将棋道⑥。「歩のない将棋は負け将棋の定説通りに歩がなくなって絶対絶命に陥っても諦めなければ、定説が覆るかもしれない」の巻。 - halukaブログ

 

その歩兵が主人公の「二歩」とは、

縦横のマス目に区切られた将棋盤にあって、

同じ縦の列に、自分の歩兵を2枚打つと、

その場で負けが決まる、禁じ手の代表格。

 

ところが、ですよ、皆さま。

たとえば、動画投稿サイト「You Tube」がお好きな方でしたら、

ぜひご覧ください。

「二歩」のキーワードで検索しますと、あるんです。

 

日本将棋連盟に所属するプロ棋士中のプロ棋士

6段だとか、9段だとか、

想像を絶する強さ、百戦錬磨の高段位者でさえ、

“なぜ、そうしてしまったのか、

自分でもよく分からないまま、つい打ってしまい、

自分で自分がしばらく、嫌いになってしまう” という、

爆笑必至の負け手。

 

プロの世界で「二歩」が出るなどとは、

おおよそ誰も予想をしない展開です。

 

申し上げました通り、

「二歩」は、打った瞬間、負けが決定するわけですが、

その、あまりの初歩的な反則手に、

敗者はもちろん、勝者も、解説者も、棋譜係りの方も、

総員が、しばらくマイクを前に押し黙り、

ある者は、両手で頭を抱え、ある者は瞳を閉じ、そして、

ある者は、必死に笑いをこらえている様子です。

なにしろ、テレビ対局中に、生で起こる珍事です。

 

その禁じ手を、

懸命の守りに入っている私ごときを相手に、

調子に乗って攻め続ける師が、指しました。

 

「あ、先生、それ、二歩ですよ」。

「あゝ、そうか、そうだね。じゃ、これはやめておいて、こうしようか」。

 

師と私の関係は、人としての情けであふれております。

「二歩」ごときで、「勝った」「負けた」と騒ぐほど、

私どもは、シリアスな対局を展開しているわけでは、ございません。

 

師も私も、双方ともに、何でもなかったかのように、

次の手、次の手…と指し進み、

ふと、盤上を見渡すと、

もはや私の玉将の逃げ道は無くなっており、

あっさりと、「投了」…。

 

私は、強く決心をいたしました。

次局からは、もう、絶対に「二歩」を許しません。

先生が老眼であられようと何であられようと、

「二歩」は、「二歩」です。

どんな大笑いになろうと、先生、

先生が、再び「二歩」を打ったなら、

その瞬間、私は、間髪入れずに宣言します。

「先生、それは二歩です。しからば、私の勝ちです!」と。

 

どうか、お願いです、先生。

もう一度、二歩を打ってください。

何卒、よろしくお願いいたします。

 

   Don`t hold back.

(遠慮は、いりません。(^_-)-☆)

 

女性のための将棋の教科書―誰でも簡単に始められる入門編

女性のための将棋の教科書―誰でも簡単に始められる入門編

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: つちや書店
  • 発売日: 2012/08/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

任天堂 将棋入門セット(将棋盤+将棋駒)