halukaブログ

やっぱり海が好き!

進め!俳句ビギナー㉚。「四季折々の風を詠む。夏の木立ちや夏草を揺らしてみせる南の風は季語が教える青嵐」の巻。

こんにちは、halukaです。

 

梅雨、まっさかりですね。

恵みの雨と知りながら、

うっとうしささえ感じる時季ですが、

6月の頃の俳句の季語に爽やかさをまとった

「風」にまつわる言葉がいくつかあります。

 

たとえば、

夏の風を示す「南風」。

緑の林や草原を吹き渡る風を詠う

「青嵐(あおあらし)」。

南風を美しくたたえる「風薫る」。

 

さらりとした風を感じさせる、そうした季語は、

颯爽(さっそう)とした雰囲気を持っているようで、

気分さえ明るくなる気もします。

 

そんな季語が載った季語集を前に作句に励もうと、

自宅の机に向かって、

鉛筆と、練習用の短冊を手に

「さて、一句…」と構えてみますが、

そううまく事は運びません。

 

頭をかいたりひねったりするばかりで、

俳句に詠もうとする麗しい情景など、

早々に、

まぶたに浮かんだりはしないというのが

俳句教室に通い始めて半年ほどの

私の日頃です。

 

結局は、考えあぐね、煮詰まった挙げ句、

遊歩道に散歩に出てみたり、

そう遠くはない森林公園まで、

散策に足を延ばしてみたりして、

そこにある自然の風物の中に

作句のヒントを探すという具合。

 

自然の中に身を置いてみないと、

季節が運ぶ実感を

五感が受け取り切れないのでしょう。

 

風になびく夏の木立ちや揺れる夏草。

そんな光景を眺めてみると、

凝り固まった頭が少しほぐれる気もします。

 

海辺まで遠出をすれば、

そこには、体になじんだ潮風が

1年を通じて吹き渡っています。

 

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俳句教室では、

受講生の方々が短冊に書いてきた俳句それぞれを

自分で、別の用紙に書き写す「清記(せいき)」という

取り組みがあります。

 

しーんと静まった教室で、黙々と、

自分にはない感性で詠まれた俳句を4句、5句と、

別の用紙に書き写すうち、

その情景が行間に浮かんでみたり、

その心象風景に思いを馳せてみたりして、

気持ちが落ち着く時間です。

 

「俳句は日常を詠む」とも言いますが、

俳句を通して、

毎日の生活の中には、

季節の風以外にも、

心の中に感動や思いやりを運んでくれる、

“風” が吹いているのだなあと、

そんなことも思います。

 

それはたとえば、

家族の笑顔が伝える空気の揺れであったり、

窓辺に揺れる鉢アジサイの葉であったり、

庭先を舞う蝶であったり、という具合で、

「清記」しながら、手が止まるのは、

そんなことを感じた瞬間です。

 

「詠んで楽しむ」「聞いて楽しむ」

「書いて楽しむ」とは、このことでしょう。

 

春夏秋冬。

風は、四季によって吹く方向を変えてみせます。

冬は北風。

春は東風。

夏は南風。

 

そんな風が揺らす四季の心持ちを

俳句に詠めれば、楽しみも膨らみそうです。