こんにちは、halukaです。
「はじめまして、halukaです。
ずっと、先生のファンでした」。
「ふーん、そうかい。君がhalukaさんか。
美味しいバームクーヘンがあるんだ。君、食べるかい」。
そんな初対面でした。
緊張しっぱなしの私の眼差しに向けて、
先生は、小さく会釈して、
柔らかく笑ってみせてくださいました。
先生が昔、将棋をお楽しみだったことは、
奥様である、ご夫人からうかがっていました。
誕生日がお近かったと、そう耳にしていましたので、
私でも手に入れることが出来る、
折り畳み式の将棋盤と、まっさらな駒をお持ちして、
この夕暮れに、ひと勝負、挑み申した次第です。
将棋盤は、縦横 9×9 の 81マスに区切られています。
その縦横の81マスを敵味方40個の駒がはね回り、
あるいは居座ります。
その将棋盤を眺めた際、
自分から見て、縦に走るラインを「行(ぎょう)」と呼び、
駒によって、いろいろと、その動きに変化はありますが、
大きな基本としては、その行に沿いながら、
自分と相手とが、交互に駒を動かして、
互いの駒を奪い合った末、
相手の王将(玉将)を先に取った者の勝ちです。
このところの私が、
亀の歩みのようなペースで学んでいるチェスと同じく、
コンピューターの「考える力」の発展で、
人が人工知能に勝つことは、段々と難しくなっていて、
現実に、人工知能が、人を相手にした指し合いの結果、
勝利を手中に収める場面は、
近年、少なくはないようです。
そんな将棋ですが、
ヘナチョコ指し手として感じる醍醐味はやはり、
「対戦相手との心理戦」「手の読み合い」。
あるいは、
「読み違いからの窮状脱出術」ではないかしら、
などと思う、次第です。
うかがいますと、先生も久しぶりの将棋指し。
私も同じく、久しぶりの将棋指し。
先手争いのジャンケンポンには、「アイコ」3回の末、
かろうじて勝ちはしましたが、
その後は、自分の王将が身の危険を感じるばかり。
自陣の駒は、みるみる姿を消し、
「先生、そういうの、根こそぎって言うんですよ」と、
私が口を尖らせても、先生は、
「ふふふっ」と少しばかり、えくぼをへこませて、
含み笑いをこぼすばかり。
「こんちくしょう」というのは、
ああいう場面の心持ちを、きっと言うのだろうと、
あらためて肝に据えた夕食前でした。
指し合いながら、お話しをうかがうと、どうやら、
お孫さん相手の一局で、以前、
痛恨の1敗をくらってしまったらしい、先生。
痛いところをぼそっと突いて、あわや心理戦に持ち込もうと、
「それは、随分と悔しかったでしょうに」と、
つぶやいてみせましたら、
なんと、さすが老練の師です。
「いや、あれは、負けてあげたのさ」と、
ふたたび、またたび、私が目にしたのは、
あの不敵な「ふふふっ」でございました。
先生、halukaブログの読者の皆さまを前に、
この場をお借りして、お願いを一つ申し上げます。
「私にも、勝ちをひとつ、譲ってくださいませ。
また、遊びに行きますから」。
「あ、先生のお好きな高級あんぱんをお持ちしますので、ぜひ」。(^_-)-☆