こんにちは、halukaです。
一日が終わる少し前、
海辺に向かいました。
昼間、上空を覆っていた雲が、
時折、ちぎれて青空を見せますが、
それは、ほんのつかの間のこと。
厚い雲が、
たちまち、ちぎれた雲の後を追ってきて、
辺りは、また薄曇りに戻ります。
海辺ではそう強くは感じない風が、
上空では、次々に雲を流すほど、
強く吹いているのでしょう。
サーフィンを楽しみに通い慣れた海辺で、
フルのウエットスーツを着込んで、
砂浜に独り座り込むと、
さらりとした潮の香りに混じって、
頬にまとわるような湿り気を感じます。
梅雨が近い…
そんな気もしながら、
両脚を砂の上にほおり出して、
ゆっくりとストレッチ。
太ももの辺りが張っているのは、
先日のファンサーフのせいでしょう。
そう気にするほどでもありません。
気になるのは、空模様。
移り気な流れる雲が、
いつ雨を降らせても不思議ではない、
そんな雲行きです。
体をほぐして、腰を上げ、
サーフボードを左脇に抱えるのは、いつもの癖。
波打ち際には、きょうも変わらず、
白い小波が寄せていました。
大きなウネリはありません。
風は幸い、
微かながらも陸から海側に吹くオフショア。
サーフボードに腹ばいになって、
沖に向かってパドリングを始めると、
海面が、
視界のすぐ側で淡く泡立っては消えてみせます。
沖合30メートルほど。
サーフボードにまたがって、
沖を見つめて波待ちしながら、
左右を見渡すと、
サーファーの影はほんの4、5人。
小波の夕暮れ、曇り空。
気が向かなくても無理はありません。
大きなウネリが入ってくる気配はないまま、
小さなセットの波で海面が膨らむのを
黙って待つだけ。
サーフィンを楽しに来たというより、
海に親しみに来た時間。
「きょうは、水浴びに来たよ」。
波がないのを知っていながら海辺に来て、
サーフィン仲間が苦笑いしながら
そんなセリフを口にするのは、こんな日です。
寄せて来た波にタイミングを合わせて、
サーフボードの先端を沖から陸側に切り返し、
パドリングして、テイクオフ。
いつもなら、そんな調子で2、3本。
短いライディングを楽しんだら、
あとは、時間の許すまま、
波間に身を委ねるだけ。
けれども、その2、3本がなかなか来ないと、
妙にじれったくもなるもので、
「1本でいいから、乗せてみないか」と、
胸の奥でつぶやきながらの
波待ちサーフィン。
潮騒が途切れず耳に届くうち、
じっと見ていた海面が、
ふと、小さく盛り上がって寄ってきました。
その小さなウネリでスタンドアップを1、2本。
ボードに立って、眺める波は数秒で消えて、
きょうの戯れは、このくらい。
馴染みの海辺に感謝して、
踵を返した、日暮れまであと少しの頃でした。