今週のお題「うるう年」
こんにちは、halukaです。
サーフィンを楽しみに通い慣れた、いつもの海辺。
その海面の輝きに向かう道々で、
名も知らぬ花々が、
気づかれることをさけているかのように、
音もさせずに色鮮やかな花弁を開く季節が、
私の住む街に今年もやってきたようです。
渚に近い駐車場に愛車を乗り入れ、
長そで長パンツスタイルのフルのウエットスーツに着替え、
サーフボードを荷台から引っ張り出して、
滑り止めのワックスを塗り込んだ後、
その板を左の脇に抱え込むのは、私の癖。
ビーチサンダルを引っかけた足が、砂浜に向かう途中、
そのショートボードは、いかにもショートボードらしく、
取り回しに困ることもあまりなく、
進行方向を素直に向いて歩くうち、
ふと、視線を落とすと、
そこには、小さな命の開花を知らせる色とりどりが、
そっと、そっと、咲き誇っています。
「もう、そんな暖かさなんだな」と、
フルのウエットスーツのおかげで、露出の少ない肌に触れる空気は、
きのうよりも、おとといよりも、その前の日よりも、
少しずつ、穏やかに、柔らかく、
ほのかな花の香りを運んでくるようで、
カレンダーを見なくても、
季節の移ろいを感じ取ることが出来そうです。
今年は、4年に一度のうるう年。
一日分、時間を儲けたようでもあり、
一日分、春の訪れを待ちくたびれるようでもあり、
そのどちらにしても、
春は、きっと近づいていて、
きのうまで、蕾のままだった “幼い緑” が、
この週末辺り、
赤や黄色や紫色をした、
絢爛(けんらん)で可憐(かれん)な花を咲かせることだろうと、
そんなふうに思います。
「いや、この辺りは、まだ、もう少し、
春が来るのは、その先です」と、
そういう街や町や村の皆さんも、
きっとおいでのことでしょう。
四季の演出を楽しめる土地に住まいを構えていることの幸い。
四季の香りがあふれる土地に仲間がいることの幸い。
四季の彩りに恵まれた土地で暮らせることの幸い。
四季を詠うよろこび。
そんな四季折々が織りなすスクリーンの一場面。
“春” という名のワンシーンを海砂に近い路傍に見て、
『小春日和とは、もう呼ぶまい。
もう春と、呼んでもいいのかな』と、
独りつぶやく、アフタサーフ。
「いやいや、独りでは、ちょっとさびしいかな」と、
仲間と集って、波談議の春の時間をくれるのは、
4年に一度のうるうの年で、
やっぱり一日分の得をした、
この週末のお休み気分、なのでした。