久しぶりにふと、懐かしいバーに足を向けた。
座りなれたコーナーで、飲みなれたいつもの最初のグラスを黙って待った。
すると、顔見知りのオーナーが、
肝心のグラスは持たずに、小さなフルーツ盛りを手に、ニヤリ。
あんまり似合わないけれど、人当たりのいい笑みを残して、
その小づくりのフルーツ盛りを置き去った。
「どうしたの?」。
「開店の記念日なんです。この3日間だけ、サービスでお出ししてます」。
小さな花火が添えてあって、線香花火のように淡い光がちりちりと、
その広くはないカウンターを彩った。
しばらく眺めて、遠慮なくいただいた。
おいしい。ビタミンたっぷりな気がしてくる。
そういえば、あちらこちらで花火大会の時季。
浴衣姿で出掛ける方も多いのでは。
夏の装いもいい。
この頃は、庭で花火を楽しむような光景を見掛けることも少なくなった。
花火大会は、夏の風物詩。
フルーツ盛りを完食しながら、思った。
次の休日、どこかで花火大会、やってないかな。