こんにちは、halukaです。
きょうも変わらず、曇天の下の波乗りでした。
やむ気配はなく、ぱらぱらと降り続く小雨が、
海面で弾かれて、小さな王冠を次々につくっています。
夕凪の頃。
太陽が西に傾きかける頃のこと。
空の機嫌が上々で太陽が顔を見せている日なら、
サーフボードにまたがって波待ちをする背中に向けて、
西日が射し込む時間です。
沖を見つめて波待ちをする
サーフボードの先が向くのは東方に消え入りそうな水平線。
潮流の遠い向こうで左右に伸びる弧を描く、
なめらかな水平線に視線を合わせていると、
いつの間にか傾いた太陽光が、
西から射し、東へ向いて走ってみせる時間です。
そんな日は、太陽光が照らす先に
のんびりと波待ちをするサーファーの姿があれば、
西から射してサーファーの背中に当たった太陽光は、
背中の形に影をつくって、
目の前の海水面に長く伸びて映ってみせます。
その時間、潮の満ち時に恵まれたなら、
セットで入ってくる小波を楽しむ波乗り好きの姿は、
背中の影が伸び切るまで、消えることはありません。
7月の半ばの午後、海水温もそう冷たくはありません。
空の明るさが時間を許す限り、
波間に浮かぶサーファーの影が伸びてみせるのは、
海辺では、この頃、お決まりのシーンです。
波待ちラインは、
沖合にロングボード、
その手前、
岸寄り数メートルにショートボード…という具合。
フラットだった海面にウネリが持ち上がるたび、
波待ちをしていたサーファーの背中の影は一瞬飛んで、
ひと乗りすると、また、元の位置に背中の影が戻ります。
【写真AC】
サーフボードにまたがって、波待ちしながら
夕暮れ時の海面から眺める夕焼けに感じる静寂は、
寂しげでもあり、穏やかでもある不思議な落ち着き。
潮騒のほかに耳に届く音色はなくて、
太陽が沈もうとする西の方角を振り向けば、
オレンジ色に染まった稜線が、
ほのかな誘いをまとっています。
目の前に伸びる自分の背中の影を見つめながら、
「あと、ワンセットの波、来ないかな」と、
その気にさせる誘いです。
空は黄昏時(たそがれどき)。
つられた波間も黄昏時。
乗っているサーフボードの先にまで
空のオレンジ色が届くようで、
夕焼け雲が恋しくもなる時刻です。
頃合いは、まだ梅雨の時季。
夕焼け雲に囲まれた波乗り気分には少し早そうで、
見上げる空は、灰色の曇り空。
波間に浮かぶ、自分の左右を見渡すと、
10メートルほど右側にも、同じくらいの左側にも、
じっと沖を見つめて、
セットの波を待つサーファーの姿があります。
「あと、ワン・セット」。
胸の内のつぶやきが聞こえてきそうです。