こんにちは、halukaです。
サーフィンを楽しみに通い慣れた海辺を想うと、
目に浮かぶサーフ・シーン。
起き抜けに頭からかぶってきたTシャツを脱いで、
車の荷台に放り投げてきた、
ウエットスーツを引っ張り出して、
着替えにかかります。
ソフトな肌触りの裏起毛に覆われた、
厚さ5ミリほどのそれは、
伸縮性に富んで、
全身を柔らかく、けれどしっかり包んで、
まだ高くはない、初夏の海水温から、
大切な体温が逃げ出す隙を最小限に抑えてくれます。
ウエットスーツは、
秋から冬、そして初夏を経て梅雨の頃まで、
海のスポーツ・サーフィンに欠かせないアイテムです。
ウエットスーツに着替えたら、
滑り止めのワックスがけしたサーフボードを抱えて、
浜辺に。
右から左へ。
左から右へ。
視線を移しながら海原を眺めて、
波が立つポイントを探します。
そのポイントを目指して、
サーフボードを海に浮かべて、
5歩、6歩と押し進めたら、
サーフボードを胸に当て、
腹ばいになって、沖に向かってパドリング。
ウネリが立って、
波が割れるブレイクポイントに漕ぎ着いたら、
そこで、波に揺られて次のウネリを待ちます。
サーフボードにまたがって波待ちをしている間、
遠い沖の水平線に目をやったり、
すぐ手元の海面をなでてみたり。
そうしてリラックスしながら、
次のウネリを待っています。
「あれ、よさそうだな」。
持ち上がってくる波にタイミングを合わせて、
サーフボードの先を沖から陸に切り替えて、
せり立つウネリをつかまえるように、
パドリングで波のスピードに乗ります。
ぐっと、サーフボードが前に走れば、
波をとらえた証しです。
つい、今しがたまでパドリングしていた手のひらは、
サーフボードの両脇に平らについて、
ひじを伸ばして、視線を上げて、
ひざを引き寄せ、ボードに立ちます。
スタンドアップすると、
テイクオフ前は海面に近かった視界が、
ぱっと開けて鮮やかな波模様を拾います。
1ラウンドでおよそ2時間。
フリー・サーフィンを終えて、
海から上がってきた体は、
軽く、心地いい疲労感を引きずるだけ。
頭の中にあれこれと散っていた懊悩(おうのう)は、
まるで波間に溶け切ったかのように、
さっぱりと消え去るものです。
頬の辺りと額の辺りに感じる皮膚の張りは、
きっと、太陽光が運んだ紫外線のせいでしょう。
その太陽をやたらとまぶしく感じるのは、
瞳さえ、その紫外線を浴びたせいでしょう。
波に乗って潮を浴び、
波を降りて爽やかに浸る。
波乗りの後。
アフターサーフに味わう穏やかな気分は、
サーフィンというスポーツの
魅力のひとつなのかもしれません。
そんな時間が愛しくて、
そんな感覚が愛しくて、
サーフボードを車に積んで、
時折、海辺に通うサーファーが、
ここにひとり、居たりもします。
【お知らせ】
すっかり暖かな季節になってきました。
梅雨が明ける頃までのしばらく、
「渚のサーフ物語」と称して、
halukaブログのサーフ紀行を徒然にお届けいたします。