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やっぱり海が好き!

愛と信念の実話。映画「ハンナ・アーレント」

 

数百万人のユダヤ人を強制収容所に移送した、

ナチス戦犯のアドルフ・アイヒマンが逃亡先で逮捕された。

米ニューヨークに住んでいたドイツ系ユダヤ人哲学者、

ハンナ・アーレントは、アイヒマンの裁判を傍聴し、

ザ・ニューヨーカー誌にリポートを書く。

そのリポートの中でアーレントが記した、

アイヒマンの″悪の凡庸さ″がアーレントを追い詰める。

アイヒマンを擁護している、と曲解され、

世界中から激しく批判を浴びることになる。

イスラエル政府からは、記事の出版差し止めの警告も。

命の危険さえ感じる中にあっても、アーレントは屈しない。

「考えることで、人間は強くなる」。

その信念の下、悪とは、愛とは、人とは、と問い続ける。

不屈の精神で立ち向かう哲学者、ハンナ・アーレントの愛と信念の実話。

アーレントが、波乱に満ちた人生を通して伝えたかった″真実″とは…

 

監督は、マルガレーテ・フォン・トロッタ

構想10年といわれる作品で、アーレントの思想に迫りながら、

夫や友人への愛にあふれる女性としての一面も描く。

アーレント役は、バルバラ・スコバ。

人としての温かさと、

どこまでも真実を追う冷徹な哲学者アーレントの両面を見事に演じている。

2013年度ドイツ映画賞受賞作品。

魂を揺さぶるアーレントの力強いスピーチ。

何を信じればいいのか生き迷う現代に、

信念を強くもって生きるさまが、生々しく映る一作。

 

 

 

 

イェルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告

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