雲の薄い夜。
やや南東の空にかけて昇る赤い天体。
「火星」が7月31日、地球に″大接近″します。
このときの火星と地球の距離は、5,759万キロ。
6,000万キロより近い、この大接近は、2003年以来、15年ぶり。
2018年1月1日には、地球と火星は、約3億キロ離れていたということですから、
確かに大接近です。
地球や火星など太陽系の惑星は、それぞれの周期で太陽の周りを公転。
そのために惑星同士の位置関係は常に変化しています。
地球の公転周期は365日。火星のそれは687日。
火星の内側にある地球は、約2年2カ月の周期で、
火星に追い付いては、追い越します。
ただ、地球の軌道に比べると、火星の軌道はやや楕円形。
そのために追い付き、追い越す際の距離が毎回、違うという仕組み。
そうしたなか、この夏の接近は、
地球と火星の軌道が最も近くなる″大接近″と呼ばれる現象。
火星は地球の一つ外側を公転している惑星で、いわば、お隣さんですが、
その環境は過酷の一語に尽きる、と言われます。
地球と同じく岩石でできた惑星で、
直径は、地球の半分ほど。
二酸化炭素が主成分の薄い大気に覆われ、赤く見えるのは、
表面の岩石や砂が赤さび(酸化鉄)を多く含んでいるから。
その表面では時折、砂嵐が発生しているといいます。
火星というと、アメリカ航空宇宙局(NASA)とベンチャー企業による火星ミッションや、移住計画もあるといわています。
国立天文台は、
「大接近というと、その瞬間の日時ばかりが注目されがちですが、大接近前後の数週間は、地球と火星がほぼ同じ方向に並んで公転しているため、火星は9月上旬ごろまで明るく輝いて見えます」。
「大接近より遅い時期の方が火星が昇る時間が早まるので、宵(よい)の空で観察しやすく、2018年は、夏から秋にかけての長期間、明るく輝く火星を夜空で楽しめます。こうした話題をきっかけに、皆さんが夜空を見上げ、星空や天体現象、宇宙への興味や関心をもっていただければ」と解説しています。
さあ、この夏も何か一つ、発見をしましょう。
ビール片手に、たまには夜空でも眺めてみませんか。
「人は毎日、何か新しいことを学ぶ」 by.ソロン。
火星の科学 ‐Guide to Mars-: 水、生命、そして人類移住計画 赤い惑星を最新研究で読み解く
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