こんにちは、halukaです。
今年の12月ももう、中旬に差し掛かりましたね。
防風林の葉は落ちて、海辺はすっかり冬の装いです。
その海辺に吹く風は、
「寒風」という聞き慣れた呼び名では、遠慮し過ぎです。
「肌を切る」、
あるいは、
「刺すように」と言った方がいいでしょう。
体を凍てつかせる冷気を帯びた風が、
海原をなでながら、
体当たりをしてきます。
そんな空気に包まれながら、
サーフィンを楽しむのに通い慣れた、
いつもの海岸近くの駐車場に早朝6時半、
車を乗り入れました。
そそくさと、フルのウエットスーツに着替え、
サーフボードを車から引っ張り出して、
はた、と気付きます。
「しまった、ワックスの塗り替えを、また忘れた…」。
サーフボードの表面に塗り込むワックスは、
自分の体や足の裏が、磨き上げられたサーフボードの上で、
滑って転ばないように、密着のために塗るものです。
スキーの板に塗るワックスとほぼ同じ原理だと、
そう思っていただければ、よいのでしょうか。
そのワックスは、季節によって、つまり、海水温によって、
若干ですが、種類が異なり、
シーズンが変われば、
古びたワックスをハケとリムーバで拭き取って、
その時節に合ったワックスを新しく塗り込みます。
その大切な作業を先日来、忘れていました。
ザっとやっても15分や20分は掛かる手作業です。
それを…
ウエットスーツに着替える前、つまり、
ぽかぽかと温かいセーターの上に、
ふかふかのアウターを着込んでいるうちに、気付けばまだしも、
ウエットスーツに着替えた後、
足に履くサーフブーツも小家に忘れ、
足元はビーチサンダル姿で、
ワックスを塗り替える羽目に…。
5分もしないうちに、足先と手の指先は凍え、
ハケでおおまかにワックスを拭き取る作業さえ、
「もう、これくらいでいいや」と、
投げやりになってしまう始末。
リムーバを容器から落として、
残りのワックスをきれいに拭き取るなど、
夢のまた夢…。
「もう、これでいいや」と、
完全に投げやりです。
掃除でも洗濯でも、
良くないこととは知りながら、
後回しにしてしまう良くない癖が、
こういう時に、出てしまうのです。
ウネリは静かですが、空は晴れ渡り、
冷気さえしのげば、上機嫌のファンサーフ日和です。
なのに…、
なんだか、べとべととした表面をしたサーフボードを抱えて、
「大丈夫、大丈夫。きっと楽しめる」と、
自分に独り、言い聞かせながら、
朝の冷気を胸いっぱいに吸い込んだ、
寒い冬の一日の始まりでした。