halukaブログ

やっぱり海が好き!

散文夢想「人に個性があるように。花に個性があるように。色合いくらいは見通してあげたくもなる穀雨の後の初夏の風」。

こんにちは、halukaです。

 

夢、想う初夏。

 

色鉛筆の先を削るという手作業をしなくなって、

どれくらいになるでしょうか。

 

色鉛筆の芯を削った記憶…

たどってみても、さっとは思い出せません。

それほど、以前の事なのでしょう。

 

きょうのこと。

気温が20度に近づいたのは、

午前の早い時間でした。

 

雲の切れ間から覗いていた、

陽射しの強さから察するところ、

午後の気温はきっと、間もなく上昇して、

その一線を超えたことでしょう。

 

吹く風は、

つい先日までの肌寒さなど、

とっとと、どこかに置き去りにして、

真緑色の

新樹の季節を吹き連れてきているようです。

 

人に名前があるように。

幾千幾百の花々に名前があるように。

春夏秋冬と、季節に名前があるように、

そよ吹く風にも、愛称くらいあってもいいかなと、

そんな気もするこの頃です。

 

愛称とまでは言わずとも、

季節には、「色合い」というような、

色調で描ける具合の変化があるようには思えます。

雪の白や野の緑。

 

俳句に詠われる季語に名がある花々は、

思い起こせば、赤や白や黄色や紫と、

百花繚乱(りょうらん)の鮮やかで、

その身を飾ってみせます。

 

そんな鮮やかさ、爽やかさを、

いっそう可憐になびかせる役目に就くのが、

そこに吹く、そよ風のようにも思います。

 

花々が季節に似合った色を持つなら、

その花々を囲って流れるそよ風も、

その花々の装いに似合った色合いを

身にまとっていてもよさそうです。

 

初夏のそよ風を、

あなたなら、何色の色鉛筆で塗りますか。

 

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  【写真AC】

 

人にはそれぞれ個性があって、

花々や草木も個性をもっているように、

もしかしますと、

そよ吹く風も、懐かしささえ醸すような、

大切な何かを思い出させてくれたりもする、

そんな個性をもっているかもしれません。

 

川辺を吹く風。

山里を吹く風。

海辺を吹く風。

街路を吹く風。

 

目に映る木々の色合いばかりが、

季節の移ろいを写し取っているかといえば、

案外、そうとばかりは限らず、

その土地、その土地、

その街、その町、

あるいは村の個性を包み込みながら、

その、そよ風は、

その場にそよいでいるのかもしれません。

 

実りの秋につながる、梅雨の頃を連れて来る、

5月半ばの初夏のそよ風。

 

穀雨(こくう)の潤いを知り、めぐって来た、

5月半ばの初夏のそよ風。

 

出来ることなら、

爽やかな、鮮やかな色合いで、

その先の季節を見通してあげたいものです。

 

今年も「こどもの日」が過ぎ、

「母の日」が過ぎました。

皆さま、思い思いに過ごされたことでしょう。

 

やがて梅雨となり、その梅雨が去り、

太陽光が頭上から射す、

夏真っ盛りも、その背中を見せ始めました。

窓辺に風が吹いたなら、

初夏の色合いを思い起こしてみませんか。