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やっぱり海が好き!

新古今将棋道⑱。「王の早逃げ八手の得よろしく華麗に宙を舞う玉将と微動だにせず地を這う玉将の戦いは笑いあり笑いあり笑いありの速攻勝負」の巻。

こんにちは、halukaです。

 

私が師と仰ぐ先生との将棋対局は、

私の勝手な都合でお流れとなった先週を置いて、

2週間ぶりの対戦となりました。

 

当日は、春の嵐を予感させる強く冷たい風が吹き荒れ、

文字通り、「開戦前夜」を思わせる緊張感あふれる天候。

その寒さを避けるべく、と申しますか、いつも通り、

愛車で先生の居宅におじゃまをしますと、

なんと、バレンタインデーのおこぼれ。

師の奥様であるご夫人手づくりのイチゴが載った甘いショートケーキが、

白いテーブルの上で私どもの着座を待ち構えておりまして、

「腹が減っては戦は出来ぬ」とばかりに、

先生と私は、

このところの出来事などについて意見し合いながら、

甘い芳香を部屋中に漂わせる、

丸みを帯びたクリーム色のその立方体にかぶりついたのでした。

 

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勝負は、開始早々から、当日の天候よろしく、荒れ模様…。

 

さて、ご夫人がご用意なさったショートケーキは、ちょうど三つ。

先生がひとつ、私がひとつ。ご夫人がひとつ…というわけです。

 

なぜ、まるで幼い子供にでも言い聞かせるかのように、

そんな、分かり切ったことを行数を割いてまで書き残しているかと、

そう申しますと、ほんのひと月ほど前の新年早々、

師と私は、なんと、

ご夫人の取り分だったバームクーヘンを、

そうと知りながら、将棋の対局中にぺろりと平げてしまうという、

前代未聞の大失態を演じていたからです。

 

新古今将棋道⑭。2020新春対局の勝利の鍵を握っていたのは甘い焼き菓子。歴史的大波乱『バームクーヘンの戦い』を制したのは果たして誰…」の巻。 - halukaブログ

 

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その日の戦いは、結局「引き分け」とせざるを得ず、

その教訓から、その後、甘い焼き菓子のなかでも、ケーキの類は、

あらかじめ、3人分がカットしてある…ということになったようです。

(詳しいいきさつは、よく分かりません)。

 

まあ、とにかく、

その美味しい、甘いショートケーキで戦意を満たした師と私は、

負けが込んでいる私の先手で開局しました。

 

ところが、私ども三人の世間話は、

甘いショートケーキで心が和んだのか、

青春時代の恋にまつわる照れ話から、

このところのバレンタインデーのホットなお話まで、

恋愛論議一色となり、

小一時間、ああでもない、こうでもない、

いや、それは、そのことはもう忘れたなと、

虚々実々のずっこけ話の連発になってしまい、

気がつくと、将棋対決に残された時間、

つまり、予定していた夕食会までの猶予は30分ほど。

 

師と私は、大急ぎで駒を指し合う羽目に陥りました。

そうなると、俄然、棋力を発揮するのが師。

とにかく、攻めに攻めてきます。

 

新古今将棋道⑮。「攻めて攻めて攻めて攻め抜く。それが勝利の方程式。諦めたら、そこで試合終了ですよ」の巻。 - halukaブログ

 

上田初美女流三段・タイトル保持者監修、

「女性のための将棋の教科書~誰でも簡単に始められる入門編」

『この知的な楽しさ、男性だけに独占させない』

(つちや書店)によれば、

玉将の格言” として、「王の早逃げ八手の得」と紹介があります。

 

つまり、玉将(ぎょくしょう)は、最も大切に守るべき駒であり、

積極的に自分から敵陣に攻めに行ったり、

攻めに来た敵の駒を自分から取ることは、お勧めではなく、

そうではなくて、

玉将の使命は、ただひたすら逃げることと、そうあります。

 

早い話が、

「敵に攻撃される前に、玉将を安全な場所に避難させておくことは、

終盤で八手分の価値がある」とされるらしいのです。

 

その項を読んでいて、それを知っていた私が今回取った手は、

まさしく、そうでした。

自らの玉将を守りに守ったのですが、

師がお取りになった攻撃手法は、

そんな私の守りなど、一掃し、

一撃で砕いてしまう、非情な手筋でした。

 

その戦術とは、なんと、

私から奪い取った香車(きょうしゃ)を縦に2枚に重ね、

その背後に飛車(ひしゃ)が構えるという、

大駒「飛車」という巨砲の前に連弾必殺の速射砲が縦列に並ぶ、

なんとも不気味な構え。

もう、ご説明さえ、いりはしないようですね。

その通りでございます。

 

まず、一の矢「1枚目の香車」が、私の玉将の頭を突き、

二の矢「次の香車」が、

万全だったはずの私の守りを支えていた、

金将(きんしょう)、銀将(ぎんしょう)を蹴散らし、

最後は、巨砲「飛車」が遠目から筋を利かせる中、

とどめの金将玉将の頭に指されて、万事は窮しました。

 

私の戦績は、2勝7敗2引き分けと、

またもや負け数先行です。

なにか、いいお知恵はありませんかねえ。

師の気をどこそこに、

どこへでもいいから、

勝負どきの将棋盤から、どこかに目をそらしていただけるような、

そんないい戦術はないものですかね。(>_<)

 

女性のための将棋の教科書―誰でも簡単に始められる入門編

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  • 出版社/メーカー: つちや書店
  • 発売日: 2012/08/01
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